染め技理論編(Ashさん) |
※こちらの記事はオラがMIA部に掲載しているものをRGM-79さん、Ashさんの了解を得て転載したものです。 |
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1、『染料の紹介』
まず私の使っている『染料』をご紹介します。(「写真1:染料」参照) 潟eクノアイリスから発売されています『ダイちゃん』 粒状になっているので使い易いです。 他にもダイロン、Ritsなど、一般的な染料でMIA染めは可能なようです。 染料の使用法に関しては各商品貼付の説明書をご覧ください。
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2、『染めの定義』
上から隠蔽する『塗り』とは違い、素材に浸透させて色を変えるので素材の色が必ず混ざることになります。 つまり、濃い色のものを薄めの色にしたり、赤いものを青くしたりは出来ません。
3、『染めの可/不可』
染めることが出来る部分と出来ない部分があります。
【染められる部分】
MIAにつきましては、基本的に本体部分(塩ビ素材)、関節パーツ(これは以外でした)です。
【染められない部分】
塗料、接着剤の塗られている部分(詳しくは次の『染めの利点/欠点』で)、プラスチック部分は染めることが出来ません。(例:陸ガンのウェポンラック。溶かしました・・・)
4、『染めの利点/欠点』
先に書きました『塗料、接着剤の塗られた部分』は、ほとんど染まりません。
これが『染め』の大きな利点であり、欠点でもあります。
(明るい色の部分や塗膜が薄い場合は濃く染めると染まってしまいます)
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利 点
(1)塗装部分が残る(欠点ともいえる場合も)
細かい塗装が施された部分や、スミ入れなどをそのまま残し、本体色
のみを変えることができます。
US版等に見られるマーキングのタンポ印刷はさらにきれいに残ります。
(「写真2:染めの利点」参照)
※明るい色の部分や塗膜が薄い場合は濃く染めると染まってしまいます。
また、商品によっては一部を素材色と同色の塗装で処理されている物
もあり、そういった部分を染めた色と同色にする場合には塗装が必要に
なります。(例:陸戦型ガンダムの足首など)
(2)剥がれない
『染め』なので染まってしまえば曲げようが擦ろうが色が剥がれることはありません。 気軽に動かすというMIAの醍醐味を損なうことなくリペイントが出来ます。
(3)体に害を及ぼさない
そしてなにより無害であるということ。これも大きな利点です。
欠 点
(1)接着剤の付いた部分が染まらない
MIAには細かいパーツの接着部分で接着剤がはみ出ていることがあります。
その部分は全くと言っていいほど染まりません。
(例:ジオン系MSのツノ部分など。ここに接着材がはみ出ているのが多いのは痛いですね)
(2)色の見極めが非常に困難
染料を少しづつ足して、少しづつ染めましょう。染料を足す際、必ず鍋の中のパーツを全て引き上げ、足した染料が完全に溶けてから入れなおしましょう。 鍋から出し、冷やすと色が濃くなります。温度によるものと思われます。 ちょっと薄いかな?ッてあたりでも濃い目になることも・・・ 染めながら何度か冷水につけて色味を見ましょう。
(3)修正が困難
濃く染めてしまい、それが失敗だった場合は『染め』では修正できません。 新たな素材でやり直すか、塗りに変更しましょう。
(4)時間経過で色が薄くなってしまう
非常に残念なことですが、染めにより変化させた色は、時間経過による
ある程度の色落ちを避けることは出来ないようです。
濃くしすぎた、と思ったものを数ヶ月後に引っ張り出したら良い感じになっ
ていたり、コレは上手くいった!と思っていたものがしばらくしてふと目を向
けたら薄くなっていたり。
なお「ダイちゃん」には「フィックス」という「色止め材」もありますが、あまり
効果は得られない印象でした。
(トップコートやスーパークリアーを上吹きした作品は割と安定している、とい
ったご報告があります)
(5)染めた上からエアブラシ塗装がしにくい
染めた塩ビ地にエアブラシで塗装すると染料が滲むことがあり、エアブラシ
塗装がしにくいようです。これはエアブラシ塗装では塗膜が薄い為に滲むと
いう現象が出るのだろうと思います。筆塗りの場合は大丈夫みたいです。
以上、私Ashの数々の失敗から得た『MIA染め講座』でした。
まだまだ不確定要素は多々ありますが、ぜひ皆さんも『染め』にチャレンジして
みて下さい。
そして完成作品は『作例掲示板』へ出して、盛り上げて行きましょう。(^о^)ノシ
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染め技失敗編(スマイリー) |
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さて、今回の素材(のなれの果て)はジムキャノン2、ティターンズ仕様です。 これはかつてオラがMIA部さんに載せさせて頂いた染め品なんです。。。あれから数年、人も街も、そしてMIA改造サイト界も変わりました。行く人来る人。。。悲喜こもごもの人間模様。。。そんなことはどうでもよろしい。要するに染め処理をしたMIAの経年変化と、染めに適したMIAの見分け方について、敢えて、敢えて悪い例を示そう+可哀想なMIAを蘇らせようということで。。。 左が染め直後、そして右が染め後2年位経過後です。 こう見たら、以前は写真の撮り方も背景もなっちゃいないですねえ。なぜにモッドターゲット?みたいな(それは私がポール・ウェラーを尊崇するモッドだからです)。 ま、それだけMIA改造にどっぷりはまってるという事で。最近、ギターも弾いてないし、音楽も聴いてないなぁ。ま、それはともかく。 こう見たら、程よく色が抜けているんですよね。。。でも、実はよく見ると哀しい、哀しい経年劣化があるんです。年をとるって哀しいよね。流行りのコエンザイムQ10でも、あの頃の輝きはもう取り戻せない。いわんや、バイアグラでも往事の勢いは。。。すいません。
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こ、この肘辺り(矢印で示した辺り)にあるシミ。。。これはよく年をとったら出来る「お迎えボクロ」では! 。。。えー、不適切な発言+タイトル、お詫び致します。その内、私にも出来ると思いますが。。。 これ、濃色で染めた際によくやる失敗なんです。理由として
1=染め剤をよく溶かないとこういうダマが出来て付着する 2=前の染め剤が付着したままの鍋を使うと、鍋にこびりついた染め剤が浮き出てきてMIAに付着する。特に薄色で染める場合は鍋を完全に分けて下さい。前の染料がしみ出て、淫ら、もとい(すんません)マダラになりますよ!
で、これ染めた直後は気づかなかったんですよね。
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これですわ、これ。矢印の先、見て下さいな。 染め後、染色した塩ビ地に合わせて、MIA塗料の上から色を塗ったなれの果て。。。塩ビの色が抜けて全然色が違ってます。
この悲劇をなくすには、塩ビを染める際は経年変化がある事を念頭に、染めるパーツの色分けが塩ビ地(塗装されていない)で完全に出来ているMIAを選ぶ事、それしかないと思います。
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※もう一つ、染めで注意しなくてはいけないことがあります。染めが大流行していた最中、グラデの下地として、素体を黒染めをしようとチャレンジしたことがあります。
結論として、染め直後だと染料がしみ出てきてグラデどころではなくなっちゃうんです。参考までに。 |
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